親たちのエッセイ

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小6男子の親 (神戸市東灘区->東大阪市)

震災から8ヶ月、ふりかえる間もなく今日に至りました。最初から2、3ヶ月はこよみから抜け落ちたような不確かな日々でした。
1ヶ月余りの学校での避難所生活、東大阪へ移って新しい地での生活。仕事、そして実母の死、いろんなことがありました。どれをとっても実感がなくただ日々に追われて過ごしました。忙しいからふりかえれず、現実を見ていても、もどかしくもありました。
あの日の朝、地震だと起きて子供を起こしました。その次の瞬間凄い揺れ!この世の終わり!自分の身にとてつもない事が起こった。凄い恐怖心が胸をよぎりました。
わが家だけ?そういう錯覚にとらわれ家を出てまわりの状況その被害の大きさに驚かされました。でも、感情はどうだったかわかりません。わが家のすがた、怪我をした人、つぶれてペシャンコの家、生き埋めの人々・・・・・・。
自分の気持ちは、今日寝るところ今日食べる物、そういった現実だけが優先でした。でも夜明けの幾度もの余震、言葉では言えない心の底からぐわっとわき上がるあの時の恐怖心。
翌朝友達の家に何か物資をと自転車を走らせて行き笑って話をした帰り阪神高速が映画のトリックのように倒れた光景、昨日は走っていなかった消防車等の車の数と音、避難する人々、いまだに助けられない生き埋めの人々。戦争を知らないけれどそのような状況でしょう。心で地獄だと思った瞬間、涙が出てきました。
初めての涙、けれどしっかりしなくちゃと気を取り直して帰りました。避難所ではみんな被災者、私のまわりの人も、家は勿論のこと、親、ご主人、子供を亡くされた方々。私なんか泣き言を言えない立場です。毎日給水車に並ぶ、食事に並ぶ、物資に並ぶ、風呂に並ぶ、いろんな所で並ぶ・・・・・・・・・。何か現実があっても自分がないような生活でした。
いろんな思いは心の底に沈んだんでしょう。いつかふっとよみがえったりふりかえったりする日が来るんでしょうね。