親たちのエッセイ

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小3男子の親 (神戸市灘区)

大震災から8ヶ月が過ぎ神戸の街は今、復興に力を入れて頑張っています。当時のあの凄まじい光景がほとんど更地へと姿を変え、元の場所の記憶さえ消し去ってしまいました。まだ倒壊した家も残っていますがあの地震のことを思い出さずにいられません。
地震半月後、1ヶ月後・・・・・・、徐々に現実を見た時は、私は戦争の体験をしているような気がしたのです。突然の大きな揺れ、私は何がなんだか分からず布団の中で頭をかかえていました。和ダンスが私の体に倒れていました。主人に起こしてもらい横に寝ていた子供の上にかぶさりました。子供も何が起きたのか分からなかったようでした。
全部の家具が倒れ真っ暗、足の踏み場もなく、明かりを求めるまもなくガスが漏れ窒息死しそうになりました。周りの家は火事になり、まだ薄暗い夜、恐怖と寒さの中どうなるのかと心配でした。道という道はふさがれ高速道路も倒れ、都会の中心のビル、デパート、街が空間となりさびしくなりました。道をまともに歩けない、こんなに歩くのに苦労するとは・・・!
今にも倒れてきそうな家・建物、学校へ避難、そこも又何千人という人、水が出ない、火もない、水には本当に困った、トイレなど特に。でも皆役割を決めて頑張り食料など分け合い、いろいろ譲り合い、励ましあい、勇気付けられました。
そして冬が過ぎ綺麗な桜の花が咲いたとき、亡くなった方にも見せてあげたいと思いました。地震とは関係なく季節は巡ってきました。テント暮らしの方の大変さ、私には一日も暮らせそうもありません。仮設の方の生活も大変です。
でもボランティアの方、いろいろな県の方、外国の方、自衛隊の方、学校の先生方、大勢の皆様のお陰で精神的、肉体的に皆大変でしたが今まで頑張ってこれたのです。 悲しかったこと、苦しかったこと、我慢したこと、いろいろあったけど、皆にすごく助けられて生きてこられたと思います。頑張ろう!大好きな神戸!